チャイルドステーションゆうゆうはNPO法人男鹿潟上南秋教育会館の児童多機能事業所(児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援)です
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↓早池峰山↓
児童多機能事業所
(児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援)
チャイルドステーションゆうゆう
利用対象児
知的障害、発達障害がある就学前の子ども、就学中の小学生・中学生・高校生
利用可能日・時間
[利用可能日]
月曜日~土曜日
[サービスの提供時間]
・学校のある日
13:30~17:30
・学校のない日
10:00~16:30
上記以外で利用日、利用時間については、話し合って決めます
[ご利用可能地域]
南秋田郡、潟上市
ご利用料金 (1月当たり)
・非課税世帯 : 0円
・世帯所得約900万円までのご家庭 :
4,600円
定員10名
送迎について
ゆうゆうでは、学校へのお迎えはもちろん、自宅への送迎もいたします。
エピソード
エピソード㉖
お誕生会「プリンアラモード」作りの巻
エピソード㉕
「春になったら1年生」Bさんの巻
エピソード㉔
「春になったら1年生」A君の巻
エピソード㉓
「お風呂上がりは自分で着替え」B君の巻
エピソード㉒
「ザリガニ大好きB君」
エピソード㉑
「お誕生会に向けて」
エピソード⑳
「児童発達支援 Bさん」
今回は児童発達支援を利用して10カ月になろうとしているBさんのお話です。
当事業所は利用者さんの得意なこと、良いところ、できることをたくさん見つけそれらを通して仲良くなり、支援の糸口を見つけます。
保護者から提供していただく情報の「良いところ探しシート」はとても役に立ちます。Bさんの良いところは、「いつもニコニコしていて、どこに行っても可愛がられる。」とありました。性格は穏やかで優しく、自分の気持ちを指さしやゼスチュアでつたえてくれるのです。ですから、コミュニケーションをとるには時間がかかりませんでした。
今回の課題は、経験の少ない粗大運動を準備していましたが、事業所に到着するなり、「カニさん」のポーズをとるのです。O指導員はとっさに「ザリガニ捕まえたいの?」と聞いたところ、「うん」と言うではありませんか。このニコニコ笑顔は何にも代えられない説得力があります。さっそく予定を変更して「ザリガニ捕獲セット」を担いで、畑の裏の用水路に行きました。
【①かすかに寒風山が見えますね。この道を4キロほど行くと、八郎潟の残存湖に到着します。】
今は、水の量も多く、流れも速いので、ザリガニと出会えるかどうか心配でしたが、まずは、4歳半のBさんを隊長に出発。隊長は泥をかき分け恐る恐る探しました。
【②まずは自力で泥をすくい上げます。(その後は隊長の指示に従い、O指導員が8回も挑戦!)】
【③泥を農道にすくい上げ、両手でかき分けると、】
隊長が引き上げた泥の中には赤ちゃんザリガニがいたのです。それを水をはったバケツに移し替え、何度も何度もすくい上げました。結果は写真のとおりです。
【④潜んでいるわ・いるわ】
ザリガニとしては最高の収穫でした。
このような楽しい成功体験が信頼関係を築き、言葉を育むことにつながると信じて、幼児の支援を楽しんでいます。
エピソード⑲
「”さんすう博士” 今日も楽しく パートⅡ」
数字にめっぽう強いAちゃんを、指導員のOは、「さんすう博士」と時々呼びます。
さんすう博士が、数字を1から100まで順番に楽しんで並べられることを知ったので、今回は、1cm2㎜の正方形を切ってもらい、10個集めたら、10の固まりと交換し、100の固まりを作れないかと、難しい課題を準備しました。
ところがAちゃんは、やっぱりマッチングをしたかったのです。「はさみはイヤ!」の一言で、遊びを切り替え、いつもの4分の1ほどの100ますを手書きで作りました。
すると、Aちゃんは「21番さん学校へいきますよ。」「あー、だけどまだ眠いな!」と、ひとりで二役を演じて「見立て遊び」を始めたのです。「わー!遅刻しちゃうよ。早く行かなくちゃ。とことことこ。」教室の入り口は、100番さんの席あたりです。「おはようございます。」と教室に入って来るので、O指導員は、「あら21番さん今日は1番早いのね。どうぞ21番さんの席に座って下さいね。」と言うと、すかさずAちゃんは「はい!絵本を読んで待っていて下さいね。」と正方形を二つ折りにし、少し開いて絵本に見立てた紙を21番の前に置きました。
それから、延々と70番さんまでの30名の児童を教室に誘導し、教室に入るときは、「さ・さ・さ・さ」と音を立てずに入るのです。途中、「みんなおはよう!64番さんも来たわよ。」とか「もうみんな来ているのね。早いのね」などと、自分が体験したことを自分の中の”引き出し”から引っ張り出して言葉を組み立てているのです。
ちなみにこんなにおしゃべりになったのは4歳過ぎからだそうです。Aちゃんはたくさんの経験を積み重ねて、引き出しに入り切れない程の内言語を貯めておいて、それが表出言語として一気に現れたのでしょう。集中時間は実に34分。最高記録です。(この間、ずっと椅子に座ったままです。)見立て遊びの一例でした。
エピソード⑱
「さんすう博士」
お友達の紹介で、4か月前から「児童発達支援」に(幼児が対象です)通ってきているAちゃん。数字にはめっぽう強く、1から100まで読むことができます。Aちゃんの事を知るために、試しに数字のマッチングをしてもらいました。すると、どうでしょう!?楽しみながら数字合わせをするのです。その集中力は20分間。まだ5歳になったばっかりなのに、喜んで取り組むのです。100まで全部完成させたときの満面の笑顔をお届けできないのが残念です。
さて、当事業所の指導時間は、午前10時から午後1時までの3時間ほどの間に、日常生活活動と運動、手指を使った活動、言葉遊びなどを組み合わせ、その子どもさんの得意なことを手がかりに、遊びにむすびつけ、成功体験を味わっていただくのがねらいです。「今日も楽しかった!また来週来るね!」と約束して帰って行く後ろ姿もうれしそうです。見送る児童指導員もうれしいです。
Aちゃんは車も大好きで、100以上のミニカーを持っており、それぞれに番号を付けています。(もちろん車種も知っています。)
1か月前くらいから91号車、92号車、93号車さんをお供に連れて来ています。学習中もこの3台の車は一緒に参加し、Aちゃんを見守っています。
前回の学習は「オノマトペ」を引き出すためのミニ人形劇遊びでした。先生とAちゃんが、お散歩途中でラッパを拾い、「ラッパ、プップカプー。」と遊び、もっと歩くとお菓子を拾い、「ムシャムシャムシャ」と食べ、お腹がいっぱいになったから、お家に帰ろうか・・・。という簡単なお話ですが、時々、「トコトコ・・・・・、もっと早く来て!」などの擬態語も入れておしゃべり5分コースの劇遊びです。
Aちゃんは、楽しかったのでしょう。次からは、「ミニカーも仲間に入れて!」と訴えるのです。すると劇遊び脚本担当のO児童指導員は急遽、登場人物を増やします。大好きな91号さん、92号さん、93号さんも仲間になるわけですから、5分コースの劇遊びは15分コースになってしまう訳ですが、同じ言葉を、飽きもせず一緒に言ってあげるので、Aちゃんのスキルアップにつながると信じています。
教材はどんどん進化し、そして、Aちゃんの集中力も進化していっているはずです。「やったー!」と思えたとき、子どもも大人も幸せな気持ちになりますよね。
エピソード⑰
「第3弾 どじょう捕り名人が念願の「しかけ」を用水路へ」
~ ネーミングは、ドジョウの「ド」 ~
どじょう捕り名人は、裏の用水路のどじょうを捕まえるための仕掛けをしたくてしょうがないのです。昨年から「仕掛けがあったらもっとたくさんとれるのに・・・」何度も何度もいろいろな指導員に訴えるのです。
でも、昔ながらの竹で編んだ道具はどこに売っているかも知らないし、売っていたとしても、子どもの遊び道具にしては高額のようです。そのことをフットワークの軽いC指導員に話したら、
「買ってこようか。私、道の駅で前に一度見たことがあるよ。」と、言うではありませんか。
善は急げとばかりに、さっそく「某道の駅」で購入。そして翌日しかけました。 翌々日待ちきれない名人は引き上げたものの、収穫はなし。そして、待つこと3日目。見て下さい!こんなにたくさんのどじょうたち。網ですくったものとは比べ物にならない大物です。
エピソード⑯
「第2弾 どじょう捕り名人が ”ザリガニ発見”」
天気の良い日は「チャイルドステーションゆうゆう」から男鹿の「寒風山」が見えます。三月は良いお天気が続いたので寒風山を見ながら、生き物探しです。
今度はザリガニの赤ちゃんも見つけました。 どじょうかな?と思って網をすくい上げたら、何と「ザリガニ」が入っているではありませんか。
ザリガニと一緒にぴょんぴょん飛び跳ねて、全身で喜びを表現している子ども達の姿を想像してみて下さい。
そしてその横を「五能線・リゾートしらかみ」が通り過ぎて行くのです。私たち指導員はこのような素晴らしい光景に目を細め見守りながら見守っている幸せを感じています。
エピソード⑮
「どじょう捕り名人」活動開始!!
空き箱制作が大好きで、発想豊かなY君。将来は発明家になるのではないかと思うほど・・・・・。Y君は自然にも深い関心を持っています。
天気の良い日は学習を済ませ「お外に行きたい!」と訴えます。春一番の遊びは「どじょう」を捕まえることです。
3月1日から学校が休校になった事もあり、遊びの時間はたっぷりあります。
事業所に隣接している用水路は、場所によっては5歳児でもジャンプできるほどの細いところも有り、ザリガニやめだかの他、数種類の生き物がいます。農作業が始まる前の今の時期は、水の流れも少ないので、絶好のチャンスです。
泥と一緒にすくい上げ、土手に網を置くと、どじょうが動き出すのです。 めざとく捕まえる事が出来るのもY君。 「ぼくにもかしてぇ~」と言われると、 「いいよ」と捕り方も教えてくれる優しさもあり、楽しい雰囲気作りもしてくれます。「捕まえた!一匹!」というと、「待って!まだいるかも知れないよ。」と、入念に探して見つけてくれるのです。この2週間で収穫した「どじょう」は写真の通りです。
エピソード⑭
「先生、美容師さん、髪、チョキチョキ」
Rさんが児童発達支援を受けるために事業所を訪れたのは卒園式が間近に迫った季節でした。卒園式は園児にとって緊張を伴う一大イベント。事業所の一室に急ごしらえで式場に見立てた場を設定し、式のまねごとをしました。 「Rさん」という点呼に「はい!」と可愛い声で返事をした3月。
4月には小学生となり放課後等デイの利用者としてこの事業所に通うようになりました。「もう立派な一年生だね。」と話しかけながら事業所の裏庭で遊んでいたら隣家の方に小石を投げていたので「いけないよ。」と注意すると半べそ状態に。 でもその時Rさんが発した言葉が「泣かないよ」でした。 一語だけの短い言葉でしたが、一緒にいた指導員には伝わりました。「もう1年生になったのだから、こんなことでは泣かないよ。」という意味だと。
入所当初は「おやつ食べないの?」と聞くと「おやつ食べない。」と同じように言葉を返していたRくんですが、入所から9カ月たった今、髪を切ってきた指導員に「○○先生、美容師さん、髪、チョキチョキ」と自分から言葉を発するまでになりました。
「散歩に行こう」と誘うと、脱いでいたくつ下をさっと履く反応の速さにも成長を感じます。
エピソード⑬
「”ハンバーガー食べたい!!!”という強い気持ちから」
Mちゃんは、天真爛漫の元気な1年生の女の子です。少しだけ、気持ちのコントロールがうまくできず、自分のやりたいことは、我慢できなかったりもします。でも、「これやりたい!!」と思ったときの彼女の力はとても大きな力へと変わります。
~指導員とMちゃんの会話~
「ねぇMちゃん、ハンバーガーって知ってる?」→「食べたことある!M好きハンバーガー」→「今度、ゆうゆうでも食べに行くんだよ」→「Mも行きたい!」
→「Mちゃんゆうゆうに来る日かなぁ・・・?」→「お母さんに聞いてみる!」 →「そうだね」→「じゃぁお母さんに手紙書く!」→「それいいね!」
と、言って、Mちゃんは紙と鉛筆を持ってきました。ところが・・・「先生どうやって書くの?」Mちゃんはまだあまり文字が分かりません。最近学習に意欲を燃やしているMちゃんなので、「先生の真似して書いてみたら?」というと、 「わかった!先生書いて!」
一生懸命真似して書きました!「7日はゆうゆうに行きたい!だって大好きなハンバーガーをみんなで食べにいきたいんだもん!」彼女の精一杯の気持ちが文字に表れています。 お母さんが迎えに来た時にこれを見せればお母さんに伝わる、そう思ったそうです。
エピソード⑫
「ぼく、もうつかれたんだよ」
運動するのがちょっと苦手で、想いはたくさんあるけれど、自分から言葉を発することが少ないMくん。
みんなで近くの公園に遊びに行ったときのことでした。
他のみんなは広い原っぱでボール遊びをし、汗をかきながら遊んでいました。Mくんは、出店が出ているコーナーへコトコト歩いて行ったので、指導員も同行しました。ひとまわりし、原っぱへ戻ると、みんなはまだボールで遊んでいます。
「Mくんもやろうよ」と指導員が言うと、一緒に参加しボール遊びを経験できました。
そしてまたトコトコ歩き出しました。今度は鯉がいる池へ。指導員はそれを見て 「待て待て~」と言うと、ニコニコしながら走り出し、追いかけっこが始まりました。「Mくん待て~」と言うと「待たない~」と言い、ニコニコ走ります。 そうして「つかまえたぁ!!」と言うと、満足そうに笑う姿がかわいらしく、やめられません。
待ちに待ったおやつタイム。アイスを食べながら涼んでいたら、Mくんが「もうそろそろ帰ろうか」と発言。 ビックリして「もう1回言って」と言うと、「もうそろそろ帰ろうか」と言いました。Mくんは「ぼく、もうつかれたんだよ」を言いたくて、その気持ちがこの言葉に変わったのかもしれませんね。自分から言葉を発することが少ないMくんのビックリ発言でした。 これからもビックリさせてね。
エピソード⑪
「話してね」
「「今日、なにしたの?」と、聞いたら答えてほしい。」
Iさんのお家の方の願いです。
Iさんは単語でほしいことを要求できます。
大人の言葉を真似てお話します。
ある日のこと、お家に送っていったC指導員に「C先生!」と呼びかけたのです。
「なあに? Iさん」と応えると、
「今日、ゆうゆうで楽しかったね!」と語りかけたのです。
自分から気持ちを伝えてくれたのは初めてのことでした。
C指導員はとてもうれしくて、
「そうかよかったね、また明日遊ぼうね。」と言ったら、
「うん!」
と元気に答えました。
にこにこしていました。 これをご家族の方にお伝えしたら、お家でも同じようなことがたまにあるとのことでした。
これからも、うれしかったことをたくさん伝え合える事業所でありたい。
エピソード⑩
「むずかしいクイズ やさしいN君」
「今日はゆうゆうで○○をしたい。」
N君はいつも目的をもってゆうゆうに来ます。
「明日は、笹舟を作って水に浮かべたいからT先生、笹持ってきてネ!」と指導員に要求します。ところが、ドリル問題を解くのを面倒がり、宿題が多いと、見ただけで、
「今日はやる気にならない!」
こんな時、保護者と相談の上、半分だけ取り組んだり、問題の書き写しを手伝ったりします。
のらりくらりと完成し、次の行動を観察していたら、
「先生、紙とマジック下さい。」と言うのです。
O指導員は
「N君もう勉強しなくていいのよ。」と言ったら、
「勉強じゃないよ!先生達に問題作っているんだよ。」と、得意げです。
クイズの苦手なO指導員は頭をかかえて、A指導員に「ヘルプ~!」
A指導員は、
「上の絵は三つ葉っぽいね。その下は四つ葉かな?うーん~じゃぁ、これ(✖)は
ばつでいいの?」と質問。
N君は得意げに「そうだよ!」と答え、きらきらした表情です。
困り果てたOとAの様子をニヤニヤした表情で見ながら、
「✖って反対から読むと、何と読む?」などとヒントを出してくれました。
このヒントを元に見事正解に導いてくれたN君は優しい子です。
エピソード⑨
「ゆうゆうが居心地のいい場所に」
春になり新たに1年生が二人仲間になりました。
当事業所から車で10分ほどの場所に、国花苑(200種2000本の桜の木が植えられており、四季を通じて色々な花が楽しめる大きな公園)があります。そこで所外活動を行いました。大きな遊具も充実している人気スポットです。
1年生のAさんは「先生、一緒に滑ろう」と職員Yを誘ってくれました。怖がっているフリをしていらた「先生、大丈夫だよ。怖くないよ」と励ましてくれました。たくさん遊んだ後、疲れてしまい帰るまでの15分位、 指導員Yにずっと抱っこをしてもらい移動しました。
翌日はキラキラした表情で来所。そして指導員Yに「先生、だるまさんがころんだをしよう」と誘ってくれました。4年生の女子も誘い、3人で遊びを展開。2カ月前の児童発達支援を利用していた頃は、鬼をやりたくないと言っていたAさんですが、 この時は順番に鬼を交代して大笑いしながら3人で遊ぶことができました。
Aさんのお母さんが迎えに来ると 「今日は1回も泣かなかったー」と笑顔で教えていました。前日、ずっと抱っこをして仲良くなった指導員Yとの距離が縮まり、 安心して遊べる場所になってきたことは間違いありませんね。
エピソード⑧
「反則ポイント”イエローカード”」
ゆうゆうでは、危ないことやいけない事をしたときに、子どもたちが視覚でもわかるように「イエローカード」というカードを作り使用しています。黄色い画用紙にラミネートをかけただけの簡単なものです。
「M君イエローカードだね!!」「イエローカードなし!」という言い合いから始まりました。学校へお迎えにいったあと、M君はU君の隣に座り、車で事業所へ向かいました。すると、 「先生!M君がU君をたたいてるよ」とH君が私に伝えました。
私は数日前に事業所で発案した”イエローカード”のことを思い出し、「M君イエローカードね!」というと、 M君は初めキョトンとこちらを見ました。 すると、 他の子どもたちが「そうだそうだ!M君イエローカードだ!!」と言ったとたん、きっとこれは友達を叩いた自分に対する反則のポイントなんだ、 と気付いたようで、「イエローカードなし!!」 と言ってきました。やりとりが続いたので、「次やったらレッドカードね!」というと、今度はもっと大変な事になると気付いたようで、 「レッドカードしない!」のやりとりになりました。
さて、帰りの会の時間のことです。M君に落ち着きがなく、テーブルに身体を半分乗せていたので、「M君イエローカード2枚目ね!!」と言い、今度は実際にA4版で作ったイエローカードを見せると、 「ダメー!」といって素直に指示に従いました。
その後、他の子同士が車に乗る前にいざこざになってしまい、指導員Sが仲介していると、 M君がさっきのイエローカードを走って持ってきて 「ケンカするのはイエローカード!」と言っていました。何をしたらイエローカードがでてくるのか、理解出来たM君でした!
エピソード⑦
「スケジュールは わたしのものよ」
Kちゃんは何回も同じ質問をしていました。「今日のおやつは?」「帰りは誰と帰るの?」「何時におやつ?」など、1回お話したことでもすぐにまた聞いていました。
そこで、職員は、試しにホワイトボードにその日の予定をKちゃんと一緒に書いてみました。はじめは職員が書いて、Kちゃんにその日の予定を説明していました。
ところが、途中でKちゃんが、「自分で(書く)」と自己主張。ペンを渡すと、Kちゃんが全部書きました。 それから毎回通所するたびに、まずは予定表を自分で書いてから行動するようになったのです。
職員 「次は何をするんだっけ?」
Kちゃん 「次は3番目、おやつの時間~」など。
その日の流れがKちゃん自身もわかるようになってきて、その成長は目をみはるものがあります。Kちゃんの成長が職員も楽しみです。がんばれKちゃん!!
エピソード⑥
「ひとりではつまらない 読んであげる」
Kちゃんは、夏から通所し始め、その頃から本を読むことが好きでした。聞きやすい通る声で、自分ひとりで読むというよりは、誰かに聞かせてあげたいかのような本の持ち方をします。 観客がいるとがぜんやる気を出します。絵を指さし、「さて、これはなんでしょう~?」などと、本文にはない文章を話すときもあります。
自分が読んでもらった経験を再現するようにしているのかもしれません。 この活動を通してKちゃんが相手の子どものことをもっと意識してふれあいができていけばいいですね。 それにしても、この光景、とてもほほえましい。
エピソード⑤
「スマホ名人Uさん」
計算は苦手だけど漢字が読める。運動は苦手だけど、頼まれると遠いところまで走って取りに行ってくれる。絶対自分から意地悪はしない、いつもにこにこのUさん、スマホがとてもお気に入りです。
いとこ同士、スマホで交信し合ってるそうです。
事業所で、みんながうるさくしている時でも、児発管Oが持っているスマホの音を聞きつけて、知らせてくれるのです。
「今、line入ったよ」。
本当に助かります。
時々、スマホのやり方が苦手なOに、使い方を教えてくれることもあります。
「先生、Iちゃんのお母さんもラインの仲間に入れてあげたら?」
「仲間に入れようと思ったけど、やり方忘れてしまったのよ」
「ここ押すんだよ。友だち追加って書いてるでしょ」
「そうか。それからどうするの?」
「アドレス帳からIちゃんのお母さんを探して、今度はここを押すんだよ」
「あっ!やった!ほんとに困っていたんだよ。ありがとう!」
とても小学3年生とは思えない速さでテキパキと教えてくれます。
どこでどうやって覚えたのか不思議です。
IT関連すべてが苦手なOにとって、Uさんは先生です。
「障がい」というものがあっても、Uさんのすべてのことに障がいはないのです。むしろ人以上にすぐれたところもあります。
なによりも、性格が明るくまろやか。
すてきです。
Uさんはこの得意な力を活かして、スマホ・パソコン関係のお仕事ができたらいいなと、夢はふくらみます。
エピソード④
「ひとりトランプはM君の勝ち~!」
どちらかというと身体を動かすことが好きじゃないM君。みんなは外でそり滑り。その歓声をよそに一人そっと保健室に。S指導員が、戸の隙間から様子を見ていると、 自分の持ち物を相手にトランプ遊びをはじめました。
ルールはM君自身が考えた「マイルール」のようでした。「プッ」と吹き出したくなるのをこらえてじっと見守りました。
「手袋さんに1枚。帽子さんにも1枚。」と話しかけ、しばらく続けて「Mの勝ち~!!」といって、全部のトランプを自分の所へ集めたのです。 そして「手袋さんは2位、帽子さんは3位」とほめたたえていたのです。
もうすぐお友だちとトランプのゲームが出来るようになるよ~!
エピソード③
「腹時計が生活リズムを刻む」
Sくんは1年生ですが、散歩が大好きです。散歩中に出会った方々皆さんに声をかけます。「こんにちは、お仕事ご苦労様です。」と大きな声で、あいさつができます。 地域のお年寄りは目を細めて「なんと、めんけごと」(なんてかわいらしいこと)と応じてくれます。
事業所では支援を受けると、スポーツ選手のように「ありがとうございます。」と気持ちのいい応答です。そんなSくんにも苦手なことがあります。
朝早く起きることです。その原因を探るためにお母さんの協力を得て、毎日の生活の記録をつけてもらいました。
そこで見えてきたのは、ゲームの時間が多い。食事の時間が一定でないという事でした。そこで児発管(児童発達支援管理責任者)Oは、お母さんに食事の時間を決めることをお願いしました。 「子どもはご飯を食べる時間によって、時間を感じ取るようですよ。腹時計って言うじゃありませんか。」という具合にです。
最近Sくんがこんな発言をしました。「先生、オレね、7時に晩ご飯食べるから、まず、家に帰ったら音読して、それからゲームをするんだよ。 だけどね、7時にご飯食べなければならないから、6時55分にはゲーム終わらなければならないんだよ。」
来所当初からみると、すばらしい成長です。時計を読み、ご飯を食べる時間が決まれば、その5分前にはゲームを終了するという約束を守れるようになったのです。
エピソード②
「歯がぬけて はっはっはー」
指導員のOは昨日親知らずを抜きました。
痛み止めを飲みながら子どもたちと遊んでいました。
思うように話せないので 子どもたちは「どうしたの?」と聞くのです。
Oはジェスチャーで痛そうに 歯を抜いた話をしました。
さて、今朝来所してきたM君が、「歯を見せて」というのです。
Oはあんぐりと口を開き、思いっきり見せました。
M君は「歯とれたんだね。大丈夫だよ大人の歯が生えてくるから」
とやさしく教えてくれたのです。実は、M君は 最近 乳歯が抜けたのです。
自分の経験が言葉となって現れたエピソードです。
話すことが苦手なM君、この頃話すことが増えてきました。
それにしても、62歳の指導員Oに大人の歯が生えてきたら、最高だー!
エピソード①
「ことばを教えたらすぐに自分で使いました」
Mさんはにこにこしていますが、あまり話しません。
誰がどの席にいるかがMさんの中で決まっていて、予定外のところに誰かがいると押してしまいます。
ことばで表現できればいいのに、と思います。
みんなで外にいた時に、夕日が顔に当たっていたので、指導員がMさんに「まぶしい」と教えました。
それから別の日、同じような状況で、Mさん、「まぶ、、」。
指導員が「まぶしい」というと、Mさんも「まぶしい」。
こんなふうにことばが増えていけばいいですね。